富山仏壇を選ぶ人

富山仏壇の職人を長くやっていると、つくづく思うことがあります。

それは

「富山仏壇にはそれを手にするのにふさわしい人がいる」

ということ。

確かに、お金さえ出せばなんでも手に入る世の中です。

インターネットを使えば手にとって試さなくてもモノが買える現代です。

なんでもかんでもネットショッピング。

「お店で買うより安いから」

「お店に行かなくても済むから」

そんな時代です。

仏壇を買う人もそうなんでしょうか？

確かに、安いことが第一優先、という人もいるでしょう。

でもね、仏壇を買うということは、ただ単にそのモノを買うだけじゃないんですよ。

あなたには、会いたくても二度と会えないお父様やお母様がいるかもしれません。

小さい頃に誰よりも可愛がってくれて、愛情の限りを尽くしてくれたおじいちゃまやおばあちゃまがいるかもしれません。

自分よりも先に逝くなんて、こんな親不孝者はいない、と強がりながらも、失くしてしまったお子様のことを１日たりとも忘れたことがない、という人もいるでしょう。

自分よりも先になくなった妻や夫に対して、生きているうちにもっと感謝を伝えておくべきだった、と思っている人もいるでしょう。

お仏壇に向かうとき、人はいろんなことを考えるのではないですか？

会いたくてももう二度と会えない、心から愛している人を思い浮かべるのではないですか？

その人との対話をするのが、お仏壇の前ではないですか？

私は富山仏壇の職人として、

そうした思いで仏壇に向かう人のために、毎日彫り、毎日塗っています。

心を込めて仏壇を作る、ってのは、そういうことだと考えています。

だから。

安い仏壇を求めている人はどうぞ量販店で外国製で化学塗料たっぷりで長持ちしない仏壇を買い求めてください。

でも。

家族の絆を大切にし、愛する人との時間を大切にしたい人や、

心を込めた職人の仕事に価値を感じる人は、

どうぞ谷川彰仏壇を見にきてください。

仏壇師
谷川彰